ブルーム社会保険労務士事務所 インスタグラム

感情を扱える職場は、ハラスメントが起きにくい──アンガーマネジメントの視点から

12月は「ハラスメント撲滅月間」です。
企業さまでも「今年の振り返り」として、
“働く人の気持ち”を見つめる時期にぴったりだと感じています。

そして最近、研修先・相談対応の現場でますます強く感じることがあります。

ハラスメントの土壌には、必ず「感情の扱い方」が関わっている。

私はアンガーマネジメントファシリテーターとして、
そして社労士として労働行政の現場にも携わりながら、
多くの職場の「怒り」と「言葉の行き違い」を見てきました。

怒りは悪者ではありません。
でも、扱い方を間違えるとハラスメントに変わってしまう。
逆にいえば、感情を上手に扱える職場は、人が辞めない職場になるのです。


■ 怒りは“二次感情”──悪いのは怒りではなく「伝え方」

厚生労働省の資料でも示されていますが、
怒りの奥には「不安・悲しみ・心配・期待」などの一次感情があります。
怒り自体は自然な反応で、誰にでも起きるものです。

問題になるのは、怒りそのものではなく、

  • 強すぎる

  • 長く続く

  • 頻発する

  • 相手や場面が広がる

といった “問題のある怒り方” によって
相手を傷つけたり、萎縮させてしまうこと。

これはまさに、ハラスメントの入り口そのものです。


■ 「べき論」が強い職場ほど、人間関係の摩擦が増える

怒りの背景には
「こうあるべき」が潜んでいることがよくあります。

  • 新人なんだからこれくらいやるべき

  • 報連相は早くするべき

  • 遅刻は絶対にあってはならない

どれも正しいのですが、
強すぎる“べき”は、相手の「現実」と衝突すると怒りに変わります。

そして、その怒りが
強い言葉・威圧的な指導・人格否定めいた伝え方
として表に出ると、ハラスメントにつながってしまう。

アンガーマネジメントは、この「べき」の強さを見直し、
柔らかいコミュニケーションへ転換する方法でもあります。


■ 感情労働の現場(介護・医療・接客)は“怒りの渋滞”が起こりやすい

私が特に感じているのは、
介護・医療・福祉・販売接客など「感情労働」の領域は、
ストレスの種類も量も非常に多いということです。

  • 利用者・家族からのクレーム

  • 業務の忙しさ

  • 人手不足

  • 多職種との連携

  • 感情の負荷が大きい場面

怒りが溜まりやすい土壌が揃っているため、
組織として“怒りの取り扱い”を学ぶ必要性は極めて高い。

ハラスメントとアンガーマネジメントは、
決して別のテーマではなく、
“同じ根っこ”から生まれている問題なのです。


■ 感情を扱える組織は、なぜ辞める人が減るのか?

アンガーマネジメントが浸透すると、
職場にこんな変化が起きます。

✔ 怒りで指導しなくなる

指導が「攻撃」ではなく「良くするための対話」に変わる。

✔ 上司と部下の誤解が減る

怒りの正体が言語化できるので、コミュニケーションがスムーズに。

✔ チームの空気が柔らかくなる

感情の安全性(心理的安全性)が上がり、人が意見を言いやすくなる。

✔ 人が辞めにくくなる

離職理由の上位は「人間関係」。感情の扱いが良くなるだけで離職率は下がる。

つまりアンガーマネジメントは、

“心理的安全性をどう作るか”という組織課題の大きな鍵

ともいえるのです。


■ 「感情を整えるスキル」は、経営そのものを強くする

怒りは制御不能な爆弾ではありません。
構造と仕組みを知れば、誰でも扱えるようになります。

そして感情が整うと、

  • 指導の質が変わる

  • コミュニケーションが改善する

  • ハラスメントが減る

  • 組織の生産性が上がる

  • 人が辞めなくなる

これらはすべて、企業にとって「経営効果」です。

私はアンガーマネジメントファシリテーターとして、
そして社労士として、
制度の隣にある“人の感情”に寄り添う支援を大切にしています。

怒りは、敵ではありません。
使い方を知れば、組織が変わる。
人が働きやすくなる。
そして、人が辞めない職場が生まれる。

そんな企業を、これからも鹿児島にたくさん増やしていきたいと思っています。


✨お読みいただきありがとうございました

「管理職向けアンガーマネジメント研修」
「ハラスメント防止研修」
「感情労働のストレスケア研修」

など、ご相談はお気軽にどうぞ。
職場の空気がふっと柔らかくなるような、そんな支援をお届けします。